札幌、釧根の2地区で開幕した。札幌地区は、札幌工が今夏の地区初戦で敗れた恵庭南を8-1の8回コールドで下し雪辱。今川騎(ないと)一塁手(2年)が、同点打含む2安打3打点で貢献した。兄優馬外野手(23=JFE東日本、東海大札幌)は、昨年都市対抗で若獅子賞を受賞し今秋のドラフト候補。兄に追いつけと、全道大会進出を目指す。北海、東海大札幌も初戦を快勝した。
◇ ◇ ◇
公式戦初陣の今川が、強い気持ちで得点をひねり出した。まず1点ビハインドの1回1死一塁で右翼への同点適時三塁打。4回無死一、三塁では、強振した打球が「ボコッ」と地面にたたきつけられた瞬間、不規則にバウンドし、相手遊撃手の失策を誘い勝ち越しに成功した。「詰まってやばいと思った。何とか点につながって良かった」。2点リードの5回1死一、三塁では右翼へ適時二塁打を放ち、相手を突き放す貴重な5点目をたたき出した。
兄優馬は、昨年の都市対抗で若獅子賞を受賞した俊足強打の外野手。コロナ禍で本州からなかなか帰省できない優馬には、ラインで自身の打撃フォームを送り、アドバイスを受けてきた。試合前日の夜には「思い切って楽しんでこい」とメッセージが届いた。まだ100%満足いくスイングではなかったが「初の公式戦で緊張したが、兄の言葉で、試合を楽しむことができた」と振り返った。
この日は一塁で先発し最後は左翼を守ったが、本来は投手も捕手もこなせる万能プレーヤー。昨秋、右肘を手術した影響で3カ月練習を休み、復帰後は捕手として練習。今夏は控えの捕手としてベンチ入りも、初戦で恵庭南に1点差で敗れた。雪辱し「代理抽選で相手が決まったときから燃えていた。3年生の分までという思いだったので、何とか勝てて良かった」と喜んだ。
兄3人、姉1人、弟1人の6人きょうだい。3番目の兄天馬さんは札幌工OBで2学年前の主将を務めるも道大会にはたどりつけなかった。今秋、自身が札幌工としては94年夏以来26年ぶりに道大会進出を果たすことと、社会人2年目の優馬がドラフト指名されることが、今川家の悲願だ。「家族の夢がかなうように。札幌工の歴史も変えられたら」。ひたむきに戦い、秋は70年以来50年ぶりの全道を目指す。【永野高輔】
▽札幌工・佐藤友貴監督(44)「今川はもともと体の力が強い。タイミングの取り方やスイングの軌道を良くし、力に頼らなくなれば、もっと鋭い打球が打てるようになる。経験を積めばいいものは出てくる」

