日本文理は、田中晴也投手(1年)が投打で活躍し、長岡大手に10-0で5回コールド勝ちした。公式戦初登板の先発マウンドでは4回を投げて2安打6奪三振。3番打者として満塁本塁打を含む3打数3安打と大暴れ。準々決勝は19日に行われる。

日本文理の1年生田中が投打に非凡な才能を見せた。公式戦初登板の先発マウンドでは4回49球を投げて、2安打6奪三振で無失点。初回に先頭の佐藤諒(2年)に左越え二塁打を許したが、少しも動揺を見せない。その後、2者連続の空振り三振と三飛に打ち取り、平然とベンチに引き揚げた。「焦らなかった。1つ1つアウトを積み重ねればいいと思っていた」。球威ある直球を低めに決め、変化球はカーブだけで勝負した。

快投が功奏し、豪快な満塁弾も飛び出した。4-0で迎えた2回1死満塁。「前の打者が死球で出塁したから、甘い球が来る」と、甘く入ったスライダーを右翼芝生席に運んだ。「投球のいい流れを、打撃につなげることができた」と投打の相乗効果で打撃でも3打数3安打4打点と結果を残した。

鈴木崇監督(40)は「走者を背負っていい投球をするのが、アイツのいいところ。自分を楽にする打撃も3本の固め打ち。今日は田中」とほめた。指揮官は「弾みになったと思う」と語り、1年生の活躍がチームの活性化につながることを期待した。185センチ、82キロの逸材は「小さいころから、甲子園といえば日本文理のイメージがあった」と、その一員としてセンバツ出場を目指す。【涌井幹雄】