来春センバツ出場校選考の参考資料となる秋季高校野球東北大会(宮城県)が14日、開幕する。初日登場で会場練習希望校は13日、石巻市民球場と仙台市民球場で約1時間ずつ練習。秋春通じて初出場の湯沢翔北(秋田)は仙台育英(宮城)との初戦に向け、守備練習に重点を置いた。

県大会全4戦完投のエース右腕・佐藤創(2年)はマウンドの感覚を入念に確認した。昨秋東北王者の強力打線に対し「コースに関係なくロングヒットを出してくる。自分たちも厳しい練習はしてきたので、持ち味のコントロールが出せれば勝てると思っている。名前負けはしません」。幼少期から祖父母宅近くで、壁当てで培った制球力。高くそれればボールは川に。低ければ穴に入ってしまう状況下の遊びが原点だ。

湯沢市は菅義偉首相誕生にも盛り上がっている。同時に地域の方からは「育英を倒して甲子園に」の声も届く。「総理大臣が出た年に初の東北大会に来られたことは運命を感じる。21世紀枠ではなく、優勝してセンバツに出たい。それが地域の方への恩返しになるし、湯沢市がもっと注目される」。地元の大きな期待を背負って、育英政権を揺るがす。【鎌田直秀】