聖地で1発放ち、勝利を呼び込む。第93回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)に出場する北海が16日、大阪・豊中市内の球場で約2時間の練習を行った。19日の神戸国際大付戦まで残り3日。江口聡一郎右翼手(2年)は「だんだんと気持ちが高ぶってきた。残り2日の練習でしっかり調整して、準備を整えたい」と意気込んだ。

昨秋の全道大会決勝では、0-0の8回2死、旭川実のプロ注目右腕、田中楓基(2年)から値千金の右越えソロを放ち、1-0での優勝に大きく貢献した。勝負強さは健在で、本州遠征では10日の大商大堺戦から15日の滋賀学園との1試合目まで5試合連続で打点を記録。「いいところで1本出ている。甲子園でも安打の延長線上で本塁打を打てたら」とイメージした。

年明けからは阪神ドラフト1位のスラッガー佐藤輝明のスイングを参考に、打撃強化に励んできた。「体の使い方がうまくヘッドが速い。自分は体は小さいが、佐藤選手のようなバットの使い方ができれば強いボールを打てる。甲子園でのオープン戦の映像も見た。同じ場所で自分も打てたら」。“聖地”の新スター候補の動きを思い描きながら、打席に立つ。

昨年6月に「右胸郭出口症候群」を発症し入院。秋は万全ではなかったが、大会後に送球練習を休み、右肩痛は完治。ベストの状態でセンバツに臨む。乃木坂46岩本蓮加のファンで「岩本さんがセンターで歌う“~Do my best~じゃ意味はない”が好き。本気にならなきゃ始まらない、というような感じのところがいい。入院しているときも元気づけられた」。完全復活した長距離砲が、大舞台のスタンドに「my best」を超える、究極の1本をたたき込む。【永野高輔】

○…切り込み隊長の1番打者、杉林蒼太一塁手(2年)がOBの父、兄の思いを背負いセンバツ出場する。父亮輔さん(47)は2年夏の甲子園でスタンド応援。主将となった3年は春夏ともにチャンスを逃した。兄拓夢さん(札幌学院大3年)は南北海道大会3連覇した15~17年に在籍も甲子園のベンチ入りは果たせなかった。28日が父の誕生日で、予定通り日程が進めば準決勝と重なる。「父に基礎を教えてもらった。甲子園でしっかりプレーする姿を見せたい」と意気込んだ。

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