第93回選抜高校野球大会は出場32校が参加し、19日から甲子園球場で13日間(準々決勝と準決勝翌日の休養日を含む)の戦いが始まる。センバツ球児は日々、自校の練習場でさまざまな言葉に触れて、発奮材料にしている。心を律し、奮い立たせるフレーズがある。「グラウンドの言葉力」と題し、近畿地区の出場校から、その背景やナインの思いを紹介する。【取材・構成=酒井俊作・望月千草】

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一層やる気がこみ上げてくる。神戸国際大付(兵庫)のバックネット裏にある本部席の壁の近くに張られた「未来、過去ではなく“今”」。

自然と目に入るこの言葉は、西川侑志主将(2年)は奮い立たせた1つの言葉だ。「先を見ずに、今できることをやらないといけないと感じます」。試合の出場機会に恵まれない時、自分に足りない力は何かと考えるきっかけになった。「頑張ったら良いことあると思って」。この春、甲子園でマスクをかぶる。