向陽のエース田中輝映(てりえ)投手(3年)は8回15奪三振の快投も報われず敗れた。最速143キロの速球を中心に組み立て、序盤から三振の山を築く。

8回1死まで15三振の無失点に抑えていた。だがその直後に一、二塁のピンチを招くと右前に先制適時打を許し、8回1失点だった。「中盤から変化球のコントロールが良くなって、真っすぐの力もこもってきて、決まるようになってきました」。167センチと小柄だが、自己最速144キロを誇る右腕だ。2種類のスライダー、ツーシーム、カットボールなどを駆使する。父がスノーボードを愛し、スノーボーダーとして有名なテリエ・ハーコンセンにちなんで命名された。山本慎監督(39)は「体がすごく柔らかい。質のいい真っすぐを投げられる。変化球も好きで、たくさん持っているし、研究熱心」と信頼する。春4強を逃したが善戦。進学校ながら、夏の甲子園で2度優勝するなど春夏の甲子園に22度出場した実績がある。文武両道で夏へと向かう。【酒井俊作】