八戸工大一は8-5で八戸工大二との同系列私学対決を制し、10大会ぶり6度目の優勝に王手をかけた。2度勝ち越されたが、粘りを発揮。1点を追う8回裏2死満塁、8番工藤寛大(かんた)内野手(2年)の左翼越え二塁打で逆転勝ちした。

二塁守備を争う2選手が打撃でも先発争いを演じた。2回裏1死三塁、佐藤日向(ひなた、3年)の右翼越え二塁打で先制。5回守備から途中出場の工藤も負けじと決勝打を放った。調子を崩し、この日先発から外れた背番号「16」の工藤は「たぶん外角。球種は覚えていません。自分のスイングをして甘い球を強く振ろうと思った。いつでも出られるように準備していました。しっかりとアピールできました」と振り返った。

投げては先発左腕・中村光希(3年)が毎回の10奪三振、2安打2失点でゲームメーク。4回までは無安打に抑えた。6回途中、右翼守備から3番手救援した身長188センチの長身エース右腕・黒田将矢(3年)も8回に自己最速149キロをマーク。3回1/3を5安打1失点も、最後回は無安打で締め、「目標は150キロ。持ち味の真っすぐを有効に使えた」と胸を張った。

6回裏、4番沢口仁誉主将(3年)も同点ソロを放つなど投打のかみ合った勝利。采配的中の長谷川菊雄監督(44)は「粘り強さを見せてくれた」と選手たちをたたえた。今日24日の決勝は八戸学院光星との同地区対決。過去の決勝対決では1勝5敗と分が悪いが、工藤は「決勝でも自分のプレーをしてチームに貢献したい」と昨秋の県王者に挑む。【佐々木雄高】