札幌日大が延長10回の末、昨夏の北北海道大会優勝のクラークを5-3で下し、3年ぶりの決勝進出を果たした。

10回1死から途中出場の山村貫太一塁手(3年)が勝ち越しの左越え本塁打を放つなどチーム3発で、春は初の全道制覇に王手をかけた。北海道栄は札幌静修を10-0の6回コールドで下し、準優勝した16年以来5年ぶりの決勝に進出した。

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北海道栄を5年ぶりの決勝に導いたのは、主将で背番号9の小沼快登投手(3年)だった。6回5安打無失点。相手打線に的を絞らせず、三塁を踏ませなかった。「初回は緊張もあって球も浮いたが、後半は低めに集めることができて、打たせてとる投球ができた」と振り返った。

昨秋は背番号1を背負ったが、今春は2年生の浜中に譲った。「2人で全道を勝っていこうと。背番号は特に気にしていない」。春先から状態が上がらなかったが、全道を見据え投球フォームを改造。5月に入ってから、元々上手投げだった腕の位置を少しだけ下げた。球速を5キロほどアップさせ「横にしたら勢いある球になった」と変更したフォームで成果を出した。

チームは北海道桜丘時代に優勝した91年以来、30年ぶりの春制覇に王手をかけた。それ以降、3季通じて道大会決勝で6連敗中と、ストップさせたい歴史もある。小沼は浦河町の出身で3人兄弟の末っ子。兄2人も同校野球部出身で、一番上の兄朱希さん(22)は投手として5年前の春全道準優勝に貢献している。「(兄からは)『それを超えろよ』と言われている。兄を超えたい」と頂点を見据えた。【山崎純一】

▽5年ぶりの決勝進出を決めた北海道栄の糸瀬直輝監督(45) 「勝たせてやりたい。なんとか勝って(選手たちに)自信をつけさせてやりたい。」

▽5回に公式戦初本塁打の北海道栄・川越亮輔一塁手(3年) 「ストレートが来ると思っていたので、それを1発で仕留められるようにと思って打席に入った。」