恵庭南・小島佑介(3年)は、思わず天を仰いだ。勝ち越しを許した直後の8回表2死一、二塁で、右中間への大飛球は右翼手の好捕に阻まれた。最後の夏はマウンドに立つことなく敗れたが「春に0-16と大敗した相手に成長した部分を出せた」と振り返った。

満身創痍(そうい)での出場だった。本来はエースで4番だが、今大会直前の紅白戦で帰塁の際に右足首を負傷。1回戦の石狩南戦は欠場した。「出られず悔しかったけど、勝ってくれると信じていた。自分も出来ることをやりたい」。監督から状態を問われ「行きます」と返答。5番一塁で出場した。

「やっと歩けるようになったくらい」と痛みが残る中、第1打席ではエンドランを決めて木村蓮三塁手(3年)の同点打を演出。続く打席では犠打が野選を誘い、足を引きずりながらも懸命に走り出塁した。8回に交代するまで全力を尽くした。「今後も野球は続けたい」と、涙なしで最後の夏を終えた。

○…札幌国際情報は、3回からマウンドに上がった2番手の木村駿太投手(3年)が7回無失点の好救援。「流れが悪いから早い回から行くぞと言われたので準備していた」と期待に応える力投を見せた。「春は0-10で負ける今までにない屈辱を味わった。この夏は絶対に勝ち進むという気持ちでやっていく」と闘志を燃やしていた。