川越は、終盤に粘りをみせたが初戦敗退となった。最後の打者となった浅香成哉主将(3年)は、涙が止まらなかった。

「(最後の打席は)今までやってきた仲間の顔が思い浮かんでいた。この結果が、残念です」と震える声を絞り出した。

2点を追う9回2死一、二塁、なんとか1点でも返そうとボールに食らいついた。捕手の失策を誘う内野へのフライとなったが、一塁走者がアウトとなり、走塁ミスが響いて試合終了。「自分が打てなかったことがすべて。直球を思い切りいこうと思っていたけど、とらえられませんでした」。紫村英敬監督は「チャンスで1本が出るか出ないか。(走塁は)冷静な判断ができるように、普段から指導をしていかないといけない」と話した。

浅香の将来の夢は、検察官。野球は、ひとまず高校で区切りをつけるつもりだ。最後の夏の幕切れは悔しいものになったが、この経験が糧になる。「主将としての経験で得た責任感や判断力を、生かしたい」と次なる夢に向かって努力を続ける。