今秋ドラフト候補に挙がる昌平のスラッガー吉野創士外野手(3年)の初戦に、NPB11球団30人のスカウトが集結した。第1打席は空振り、その後は3打席連続四球を選んだ。

初戦の緊張や焦りもある中で、最後に持ち味を見せた。8回2死、カウント1-2からの4球目、外角直球にしっかり合わせて左中間を破る三塁打を放った。8回コールド勝ちを引き寄せる長打となったが、試合後には「とらえられるボールを、とらえなかった。結果をほしがってしまい、突っ込んだり、力んだりした。反省した中で、最後に修正できました」と黒坂洋介監督(46)に話したという。

チームは逆転で初戦を突破した。黒坂監督は、大会前に「先のことは考えないで、チームのことを考えてやっていこう」と吉野に伝えたという。ドラフト候補として注目を集めている吉野について「これだけ(メディアに)取り上げられて、最後の大会ですし、ガチガチでしたね。本人は納得いっていないと思うけど、1本出てホッとしているんじゃないですか」と思いやった。

<スカウト評>

▽ヤクルト小川GM「いいモノを見られた。ボール球には手を出さないで我慢して、打てる球を打った。それが、(三塁打に)つながったと思う。精神的な部分の強さも見られた。打撃だけでなく、走り方もいいし、守備もセンスを感じる」

▽オリックス牧田編成部副部長「打ちたい気持ちを我慢して3四球を選んだ。いろんな思いがある中で、チームが勝つことを大事にしているんだと思う。いろんな意味で成長を感じた。次の試合につながるパフォーマンスだった」

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