昨秋県4強の青森が三農連合に5-0で勝利し、夏初戦突破を決めた。

先発したエース右腕、赤坂真庸(3年)が9回完封勝ち。キレのある直球を軸に2安打で封じ、3回以降はノーヒット投球を披露し、スコアボードに「0」を並べ続けた。打線は0-0の6回2死一塁から4連打で3点を先制。8回には7番佐々木晨内野手(2年)のこの試合、2本目の適時打となる三塁打などで2点をダメ押しした。成田統監督(40)は「下位打線で得点できたことが大きな収穫です」と振り返った。

ほぼぶっつけ本番だった。今春はコロナ禍の影響もあり、学校の判断で春の県大会辞退を余儀なくされた。練習時間も約1時間半で、夏本番前の練習試合は、わずか4試合。実戦経験がほとんどない状況で臨んだ一戦だった。指揮官は「メンバー選考もほとんどできていない。ぶっつけ本番に近かったです」。春の県大会辞退を受けて、3年生とは1人1人面談を行い、選手の気持ちを再確認した。成田監督は「選手は落ち込んでいなかったですね。赤坂は『大丈夫です。甲子園に行くには、夏に全部勝ち上がるだけです』と、言ってました。力強かったですね。私も、この子らを甲子園に連れて行ってやりたいなと思いました」と、今大会に懸ける思いはどこよりも強い。

創立120周年を超える伝統校で、夏は4度の甲子園出場を誇る。旧制三中の流れをくみ、文豪の太宰治を輩出するなど、地元では「セイコウ」の愛称で親しまれる。さらに文武両道を掲げる県内有数の進学校として知られ、野球部も勉学との両立に励んでいる。

次戦は17日、昨秋の県大会3位決定戦で敗れた、第5シードの弘前学院聖愛との雪辱戦に挑む。【佐藤究】