07年夏の甲子園で「がばい旋風」を巻き起こし、全国優勝した佐賀北が、14安打7得点で初戦を突破した。

当時の決勝戦で逆転満塁弾を放った副島浩史氏(現唐津工監督)の、伝説の背番号「5」を受け継いだ笹山宗悟(そうご)内野手(3年)が、4安打3打点の活躍。本塁打が出ればサイクル安打達成という暴れっぷりで、チームを勝利へ導いた。

笹山は2点を先制された直後の5回に、同点の2点適時打。1死二、三塁から中前に運んだ。「自分が打てなくても4番の森がいるので、思い切って振っていきました」と笑顔で振り返った。サイクル安打リーチに関しては「三塁打を打った時に自分で気づきました」と苦笑い。その後は9回まで毎回得点で「がばい旋風」を想起させる逆転勝利を飾った。

チームを率いるのは昨春に監督に就任した本村祥次氏(27)。同校OBで、12年夏の甲子園では「3番・中堅」でスタメン出場した。1回戦で仙台育英に敗北したが、本村監督は4打数2安打と活躍。試合後は「いい意味で『がばい旋風』。私ももちろんですけど、後半の粘りという野球はみんな受け継いでやってくれている」と、選手らを褒めた。19年の夏の大会王者が、再び「がばい旋風」を巻き起こす。【只松憲】

◆笹山宗悟(ささやま・そうご)2004年(平16)2月13日、佐賀県牛津町生まれ。野球は小学校1年から砥川少年野球クラブで始める。牛津中では軟式野球部に所属。中学までは投手も兼任し、高校から三塁手に専任。173センチ、78キロ。右投げ右打ち。

◆07年佐賀北のがばい旋風 県立校が夏の甲子園で強豪校を次々にミラクル撃破。「とても」を意味する佐賀弁「がばい」から「がばい旋風」と呼ばれた。開幕戦で福井商に2-0で甲子園初勝利を挙げて勢いづいた。2回戦は宇治山田商と延長15回4-4で引き分けたが、再試合は9-1の完勝。3回戦は前橋商に5-2で競り勝ち、準々決勝は帝京相手に延長13回4-3でサヨナラ勝ち。準決勝は長崎日大に3-0で快勝した。広陵との決勝は0-4の8回に1点を返し、なお満塁の好機に副島浩史が野村祐輔(現広島)から逆転満塁本塁打を放ち、5-4の劇的勝利で初優勝を飾った。