09年夏以来12年ぶりの甲子園出場を目指す関西学院が、逆転で社を下した。

今夏全てリリーフで登板している左腕・森津雄大(2年)が2回から登板。5回で1度、右翼の守備につくが6回から再度登板し、合計7回を投げて1失点の好投。「縦スラがはまった」と今まで使うことが少なかった変化球を6回以降に増やし、反撃を許さなかった。

打っては、2回の代打から出場した真鍋太一(3年)が6回2死満塁から「スタンドの応援が聞こえていた。気持ち込めて」と中越え3点三塁打を放ち、同点に追い付いた。さらに8回2死一、三塁で決勝打。真鍋は5回戦、準々決勝と2試合連続代打で適時打を放っており、この日も広岡正信監督(67)の期待に応えた。

広岡監督は「後ろから行っても、手当てしてくれる。春も森津の力で勝てた」と森津への信頼は絶大。2時間かけて学校に通う左腕は、社の1番打者・深田元貴(3年)と同じ「和田スポーツ少年団」に所属しており、対戦を楽しみにしていた。「好きな野球に打ち込めている。良かった」と語る母・なぎささんはその頃から2人を見ており、この試合もスタンドから応援した。

深田も森津との対戦で笑みを浮かべていた。最後は9回2死で迎えた深田を二塁ゴロに打ち取り、ゲームセット。兄のように野球を教えてくれた深田へ、恩返しの投球となった。

12年ぶりの聖地まであと1勝。スタンドの期待、戦った仲間の思いを全て背負い、チーム一丸で決戦に臨む。【岡崎空日南太】