今後への確かな財産を手にした。創部初となる大会に臨んだ花巻東(岩手)が、京都両洋に0-8の5回コールド負けを喫し、全国16強で力尽きた。

3年生2人の最初で最後の晴れ舞台が幕を閉じた。0-8で迎えた5回。2安打と相手失策で2死満塁のチャンスをつくったが、あと一本が出ず、無得点で花巻東の夏が終わった。初回から打者一巡の猛攻を浴びて、一挙5得点を奪われるなど、苦しい展開が続いた。それでも、ナインの声が途切れることはなく、最後まで戦い抜いた。河野瑠生主将(3年)は「負けて悔しいけど笑顔と元気は貫くことができた」と胸を張った。

昨年4月にチームは始動。今大会が創部初の公式戦だった。叡明(埼玉)との2回戦は4-0で完封勝ち。記念すべき「初勝利」を刻んだ。河野主将は「初戦で勝てたことが良かった。苦しいこともあったけど、悔いなく最後までやれた」と話し、田口雛乃内野手(3年)も「今のチームで初出場、初勝利ができて良かった。仲間に感謝したいです」と振り返った。

チームの目標は「日本一」。河野主将は「この悔しさをバネに1、2年生には、来年も頑張ってほしい」と後輩に思いを託した。