国学院久我山の決勝進出には、らしさが詰まった追加点があった。

3-2の6回、先頭打者が敵失で出塁。犠打と安打で1死一、三塁をつくった。ここで、3番田村優樹外野手(3年)がフルカウントから遊ゴロを打つ間に、三塁走者が生還した。

田村は、それまでの3打席全て遊ゴロだった。4打席目も遊ゴロとなったが、貴重な追加点を挙げた。フルカウントで一塁走者がスタートを切り、併殺を阻止。田村は見逃せばボールかという高めを上からたたきつけ、打球をバウンドさせた。その間の三塁走者生還だった。

この回に犠打を決めた1番の内山凜外野手(3年)は「ヒットが出ないと1点が取れないチームではなく、1死一、三塁なら内野ゴロで1点を取る。そういう打線を目指しています」と胸を張った。東京ドームは上からたたきつければ打球が跳ねるということは、全員で確認済みだった。

たたきつけた遊ゴロについて、尾崎直輝監督(31)は「ああいう指示です。ヒットがなくても点が取れるのが大事」と話した。チーム打撃で1点を加え、2点差とした。8回に1点を返されただけに、決勝進出へのカギとなる追加点だった。