甲子園が小雨になってきた。午前8時43分、阪神園芸のグラウンドキーパーが現れ、外野の芝生をチェックしていく。左翼から右翼前方へ。9時前には大会本部役員と阪神園芸の職員が内野を見ながら協議していた。

このフィールドはずっと自然に委ねてきた。17年10月15日、甲子園での雨天の決闘になったクライマックスシリーズDeNA戦のときも、金沢健児さんは言っていた。「雨が上がらないことには(作業も)できないです。強い雨はグラウンド整備してくれる。雨が上がれば、それなりの状態になっているんです」。池のようにたまっていた内野の水はじわじわと消えていく。空は少しずつ明るくなってきた。