96年に夏の甲子園に出場した新野と、阿南工が統合して18年春にスタートした阿南光の応援席には、甲子園で当たり前といえるブラスバンド演奏がなかった。

コロナ禍で無観客開催の今大会は、出場校の応援も野球部員、部員の家族などに限定され、銀傘下の内野席に陣取る。吹奏楽部は隣接のアルプス席に位置するのがパターンだが、阿南光はブラバン部隊がおらず、楽器応援は大太鼓などのみ。部員、家族らの間で録音した演奏をスピーカーで流すスタイルだった。

同校によると「吹奏楽部」はなく「音楽部」があるものの、部員は「数人」だけ。録音された音源は「生徒によるものと、借りてきた音源を生かしたもの」といい、できる限りのサポートでナインをもり立てた。