今夏16強の利府が、準優勝の仙台三に8-7で競り勝ち初戦突破。万城目琳久内野手(1年)が4連続安打を放つなど14安打の猛攻で乱打戦を制した。

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「調子は良かったです」。1回2死一、二塁で迎えた1打席目は中前へ適時打。2打席目は右翼線へ適時三塁打、3打席目は左翼へ二塁打。4打席目は中前安打と4打席連続安打をマーク。先発・真木佳唯斗(2年)から2番手に継投する際に、間橋康生監督は一塁の万城目をベンチに下げ、真木を一塁に据える予定だった。だが、万城目が相手投手にタイミングが合っているを見て、ベンチへ下げず三塁へコンバート。その采配に見事に応えた。

好走塁も見せた。5回1死二、三塁の場面。鈴木大河外野手(2年)の一ゴロで三塁から生還。6回には木村翼捕手(2年)の3球目に三盗も決めた。万城目は大活躍にも「調子を崩さず、チームのために頑張っていきたいと思います。この流れに乗って2勝、3勝とつなげていきたいです」と気を引き締めた。

万城目は、利府が夏の甲子園に初出場した14年の1回戦佐賀北戦で2安打3打点を挙げ、31年ぶりの宮城県公立校の勝利に貢献した晃太さんをいとこに持つ。当時8歳の万城目はその試合を現地で観戦。「ここを目指してやっていきたいなと思えるような場所でした」と、聖地はとてもまぶしく映った。いとこと同じ高校から目指す甲子園へ。09年のセンバツ4強、14年夏1勝を超える「利府旋風」を巻き起こすべく、1戦必勝で戦っていく。【濱本神威】