プロ野球ドラフト会議で、今年の春夏連続で甲子園に出場した北海・木村大成投手(3年)が、ソフトバンク3位指名を受けた。

北海からの支配下指名は、17年DeNA3位の阪口皓亮投手(22)以来4年ぶり。最速150キロ左腕は、新人王獲得と将来の侍ジャパン入りを目標に掲げた。北広島市出身のプロ野球選手として、日本ハムが同市で建設しているボールパークでの凱旋(がいせん)勝利を思い描いた。

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道内屈指の左腕は、福岡からプロの道を歩み出す。午後6時16分、木村は校長室で中継を見ていた。「ソフトバンク…のところで電波が途切れてしまって、校長先生がパソコンで確認して『おっ』と言ったので、それで確信しました」。目頭を押さえながら会見場に移動も、歓喜の涙ではなかった。「緊張で目が乾いてしまって」と苦笑い。気持ちを整理し感想を問われると「スターが多く。競争が激しいイメージ。しっかり体をつくって1日でも長くプロで活躍できる選手になりたい」と気を引き締めた。

目標は新人王と将来の侍ジャパン入りだ。小学生のときに見た13年WBC台湾戦で、日本が9回2死一塁から鳥谷の二盗と井端の中前適時打で追いつき、延長戦で勝利を挙げた試合が忘れられないという。「格好良かった。それ以来ずっと日本代表を夢見てきた」。まずはプロの世界で地道に実績を積み重ね、さらなる夢を追い掛ける。

北広島市出身として思うことがある。自宅から徒歩10分のところに日本ハムの新本拠地となるボールパークが建設中。3日には1人で工事現場近くを散策した。同じパ・リーグのチームに加入することで「力をつけて、いつかボールパークで勝てる投手になりたい」と凱旋(がいせん)勝利を思い描いた。

今夏甲子園に出場したノースアジア大明桜の風間球打投手(3年)がソフトバンク1位。注目の投手がチームメートになることで「球も速いしフォークとか変化球も持っている。いろいろ聞いて吸収したい」と同期からも学び成長につなげる。

大成の名前は「大きく成長」「大事を成す」に由来する。色紙に書いた「新人王」の文字の脇に書いた「木村大成」の文字があまりに小さくなってしまい小声で「ちっちゃ…」と反省。これから力をつけ、日本一ビッグな投手になって再び、北海道で快投を披露する。【永野高輔】

◆木村大成(きむら・たいせい)2003年(平15)9月12日、北広島市生まれ。北広島東部小1年時に北広島東部カープジュニアで野球を始める。北広島東部中から北海に進み、1年春の地区予選から背番号13でベンチ入り。同年秋は背番号1で地区敗退。2年夏は17番。同年秋から再び1番を背負い秋季全道大会優勝に導き今春のセンバツに出場。夏の南北海道大会優勝で春夏連続甲子園出場。最速150キロ。目標の選手は楽天松井。家族は両親と兄。左投げ左打ち。181センチ、77キロ。