東洋大姫路(兵庫)はエースの森健人投手(2年)が強力打線に痛打され、完敗した。3回までは得意の内角速球を駆使して無失点投球。4回1死一塁で内角低め速球をとらえられて先制2ランを浴びると、5回も適時打と併殺崩れで2点を失った。左打者に強振されるケースが目立ち、この日は8回5失点だった。打線も先発の川原嗣貴投手(2年)と前田悠伍投手(1年)を打ち崩せず、完封リレーされた。

今秋の公式戦で力投してきた森は「自分の力はまだまだだと分かった。(被弾は)うまく打たれてしまった。もう少し、球に力があったらよかった。全体的に球の威力を改善していかないといけない」と振り返った。藤田明彦監督(64)も「完敗でした」と脱帽し「(先発は左腕の)前田君が来るかと思った。川原君で、前半はチャンスが何回かあった。点を取れなかったのが一番のポイント」と振り返った。

同校は春夏通算19度の甲子園出場を誇り、77年夏に優勝した。22日には、11年から指揮を執る藤田監督が来年3月31日付で退任すると発表。新監督として履正社(大阪)の岡田龍生監督(60)を招へいする方針を固めている。

藤田監督は5度、甲子園に導き、今秋も手腕を発揮した。近畿大会も8強進出で、来年3月のセンバツ出場を目指してきた。指揮官は「ゼロですから。ちょっと厳しいかな。信じて練習しようと思います。3月まで、普通にやると思います」と渋い表情だった。今後もセンバツ選出に備えて、練習で指揮を執る方針。選出されれば、センバツが花道になる。

同大会では秋季兵庫大会1位の社と同2位の神戸学院大付が1回戦敗退。同3位の東洋大姫路は、初戦で夏の甲子園準優勝の智弁学園(奈良)に完封勝ちし、準々決勝に進んでいた。地域性を考慮した上で、来春センバツでどのように選考されるか注目だ。