第94回選抜高校野球(3月18日開幕、甲子園)に21世紀枠で出場する福島・只見が26日、同県楢葉町にあるSOSO・Rならはスタジアムで公開練習を行った。只見ナインはウオーミングアップ後、キャッチボールとシートノックを行い、豪雪地帯にある同校では味わえない、スパイクの感触を確かめながら土のグラウンドを踏みしめた。

3週間後に迫った甲子園に向け、只見ナインは慣れない土のグラウンドに苦労しながらも貴重な練習機会を楽しんだ。吉津塁主将(2年)は「1人1人が楽しそうにやっています。雰囲気も良い」と笑顔。2度行った7分間のシートノックではたびたび捕球にもたついたが、送球までの1つ1つの動作に気持ちを込め、1球1球大事に取り組んだ。吉津は「1つ1つの課題をつぶしていけたら」と気を引き締め、開幕までの限られた練習時間を有意義なものにしようと懸命に取り組んだ。

近づく甲子園の足音を意識しない日はない。大竹優真投手(2年)は「(甲子園を)毎日のようにイメージしています。ワクワクします」と笑顔を見せた。昨秋にはツーシームを習得。187センチの長身から「角度をつけてコースに投げ下ろす」という持ち味の幅を広げた。武器を増やして臨む甲子園に大竹は、「(甲子園は)行きたくて行ける場所ではない。今までの大投手たちが投げたマウンドで投げられるというのは素直にうれしいです。只見町や全国を元気づけられる投球ができたら」。数多くの偉大な投手が投げたマウンドで、自分の持ち味を存分に発揮する。

“町総出”で甲子園に挑む。遠征から帰れば、差し入れをもらったり声をかけられたりと只見の町の人々はとても温かい。吉津は「21世紀枠として選んでもらったのは、過酷な環境の中でやってきたことが認められてのことだと思っています。たくさんの方々に支えてもらっての今。恩返しできるように、笑顔で全力で、攻めの姿勢を忘れずに戦いきりたいと思います」と力を込めた。人口4000人未満の小さな町から全国へ、恩返しを果たすべくナインは笑顔を絶やさず最大限の努力を重ねていく。【濱本神威】