センバツ出場する注目選手が、昨秋ドラフトでプロ入りした先輩から学んだこと-。第94回選抜高校野球大会(18日開幕、甲子園)の出場校にまつわる「継承」を連載する。最速149キロ右腕の市和歌山・米田天翼(つばさ)投手(2年)はDeNA1位小園健太投手(18)の背中を見て成長した。エースの責任感など大切なものを継承した。第5日に高校通算50本塁打の佐々木麟太郎内野手(1年)を擁する花巻東(岩手)と対戦。かけがえのない日々とともに強敵に挑む。

画面越しにエースのプライドをにじませた。米田はセンバツ初戦が猛打を誇る花巻東に決まっても顔色を変えない。「破壊力のある打者がそろう。そういう打者を抑える練習をしてきた。抑えるイメージはできている」。佐々木麟も149キロの剛速球でねじ伏せる。

「エースたるもの」

胸に刻む言葉だ。1学年上の小園から受け継いだフレーズだった。「どんな状態でもチームを引っ張って勝たせるのがエース。全イニング無失点が目標」。抱負も小園と同じだ。中学時代から、まぶしい先輩だった。大阪・貝塚市でチームは違うがグラウンドは隣。「見るからにすごい投手でした」。昨春センバツの県岐阜商戦。6四球でも完封した姿にうならされた。

新チーム始動の9月、本来の豪快さが消え、置きにいく投球になった。「点を取れず、点を取られてはいけないと思いすぎた」。背番号1の重圧に気負った。県新人戦準決勝で和歌山商に敗れた翌日、練習場で小園に話し掛けられた。

「普通に自分の球を投げたら打たれることはない。思い切っていけ!」

持ち味の負けん気を取り戻した。「小園さんは同じ時期に152キロでしたが、ストレートの強さ、質は自分も自信を持っている。そこは負けていません」。生命線は速球の球威だ。この冬は、低めから伸び上がる快速球を追い求めてきた。昨年センバツでも登板した米田は言う。「2回戦を何としても突破したい。去年の先輩を超えることが一番の恩返し」。小園先輩は甲子園1勝。強敵を倒し、高みを目指す。【酒井俊作】

◆昨年センバツの市和歌山 1回戦の県岐阜商戦は1-0のサヨナラで勝利。エース小園が先発し、9回130球を投げ、4安打8奪三振で完封した。最速は147キロをマーク。明豊(大分)との2回戦は2年生だった米田が先発。4回に春夏通算2500号となる先制ソロを許しながら、4回4安打1失点に抑えた。5回からは小園が登板。6回に松川(現ロッテ)の適時打で同点に追い付いたが、小園が7回に勝ち越され、1-2で敗れた。