新発田中央は新津工に10-3で8回コールド勝ちした。3番打者の柳沢一希(いっき)三塁手(2年)が“一気”の4打数4安打、2打点で快勝に貢献した。

打席に立てば柳沢は必ず出塁した。5打席で4打数4安打1四球。2年生ながらクリーンアップの一角を任されている実力を見せつけた。2-0の2回2死二塁で中前適時打。3-1の4回1死二塁では右中間に適時二塁打を放った。得点圏に走者がいれば、必ずかえした。「引きつけて打つことを意識した」。

大会前のチームは2試合しか練習試合を消化できなかった。部員が新型コロナウイルスに感染し、4日から18日まで部員は登校禁止に。しかし自宅トレは柳沢にとって格好のリスタートになった。素振り、体幹トレは欠かさなかったが、同時に「それまでウエートトレで追い込んでいた」という筋肉疲労を取るための休養にもなった。円山宏大監督(39)の「信頼できる打者」という期待に応える準備は自宅待機期間に整っていた。

30日の2回戦は昨夏優勝校・日本文理と対戦する。昨夏も2回戦で対戦し、柳沢は6番打者として3打数無安打で、0-6で敗れた。速球派の田中晴也投手(3年)に抑え込まれた。だからこそ春に雪辱を誓う。「振り負けない」と新発田中央3番打者の意地を見せる決意だった。【涌井幹雄】