今春センバツ優勝校の大阪桐蔭が近江(滋賀)を振り切って公式戦29連勝に延ばした。序盤から劣勢だったが、じわじわともりかえしていく。「横綱相撲」さながらの試合運びだった。

同点の8回1死三塁で4番丸山一喜内野手(3年)が左中間に勝ち越し2ランを放ち、ガッツポーズで喜んだ。7回から継投した2番手の前田悠伍投手(2年)も力投だ。9回は打者11人の猛攻。6安打を集中して7点奪取で突き放した。

終わってみれば大勝したが、西谷浩一監督(52)は「(近江)山田君はツーシーム、フォークが高校生のトップレベル。今日はどれだけ打てるかやったが、なかなか打たせてもらえなかった」と気を引き締めた。

勝負の潮目は6回に変わった。1点を追い、1死走者なしから連打で一、二塁の反撃機を築いた。ここでプロ注目で先発の山田陽翔投手(3年)が右足太もも裏を押さえて、足を引きずりながら緊急降板した。

2番手の左腕、星野世那投手(3年)を攻めた。1死満塁でプロ注目の海老根優大外野手(3年)が中犠飛を放って、同点に追いついた。1回には川原嗣貴投手(3年)がいきなり先制の2点を献上したが、その後は持ち直し、6回2失点と力投した。ビハインドの展開でも、じっくり勝機を待った。

センバツ決勝の再現だった。頂点をかけた3月31日は18-1で近江に圧勝。1試合4発を放り込むなど16安打18得点を刻み、異次元の戦いを見せつけていた。雪辱に燃える近江ナインを返り討ち。またも、土壇場での一発で勝負を決めた。29日の決勝は昨夏甲子園優勝校の智弁和歌山との対戦が決まった。西谷監督は言う。「いいチーム。春の大会最後なので、しっかりと勉強させてもらいたい」。春夏の甲子園連覇を目指す立場だ。「最強」の称号をかけた激突になりそうだ。

【スコア】春季近畿大会スコア>>