過去3度、夏の大分を制している藤蔭は最速152キロ右腕・松石信八投手(2年)の復活勝利で初戦(2回戦)を突破した。松石は春季大会後に肘の疲労骨折が判明。実戦復帰は「開幕の2週間前」。そこから最終枠の背番号20でベンチ入りを果たした。

右腕は3点リードの7回から登板。8回には1死から三塁打の走者を背負った。この日最速148キロの直球で差し込んだが、一ゴロの間に失点した。

2点リードの9回には自らの野選も絡み無死満塁と一打逆転サヨナラのピンチを招いた。「足が震えていた」と振り返る場面だったが、3三振で試合を締めた。「今日は80%くらい。まだ肘に不安があるから100%は出せないが、キレも出ていたし、結果勝てたので良かった」。1年夏からマウンドに立ち、「去年はただ腕を振ることしか考えてなかった。今年は責任も感じる」と心身ともに成長した好投手が躍動した。