プロ注目の花咲徳栄(埼玉)の藤田大清外野手(3年)はチームが初戦で苦戦する中で猛打賞を放った。3番で出場し、187センチの長身から繰り出す鋭いスイングで4打数3安打。5回には中前安打から、この回2得点に導いた。6-4の辛勝に岩井隆監督(52)は「夏の怖さを知った」と振り返ったが、藤田のひと振りが勝ちにつながった。

小学4年の時、「サッカーがやりたい」と言ったが父に「野球と一緒ならやってもいい」と諭され野球を始めた。父・勉さんは徳島の池田高校野球部出身。名将蔦監督のもとで91年、キャプテンとして甲子園に出場しベスト16の好成績を収めた。2歳上の兄・航大さんはJリーグ川崎Fユースのキーパーで活躍。だが藤田はプロ野球チップスに入っていた巨人坂本勇人のカードに「かっこいい」とさらに魅了され、父と同じ球児への道を歩んだ。

大会初日の前日、父から「1日1日自分なりに頑張ってきたんだから、自信持って振ってこい」とメッセージが届いた。「今まで支えてくれた父のために、結果で恩返ししたい」。親子2代での甲子園へ。挑戦が幕を開けた。【星夏穂】

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