プロ注目の強肩スラッガーが放った打球は、大きな弧を描いて右翼スタンドへ吸い込まれた。

2点リードの3回無死一塁。高崎健康福祉大高崎(群馬)の清水叶人捕手(3年)は「狙っていた」というスライダーを捉えた。初回の右前適時打に続く2打席連続安打&打点。NPBスカウト7球団が視察する中で、存在をアピールした。

マスクをかぶっても先発の芹沢一晃投手(3年)、2番手の小玉湧斗投手(2年)をリードし、3試合で25得点と猛打の利根商打線を1点に抑えた。「相手は3番、4番がキーマンだったのでその抑え方は準備していた」。相手の中軸を徹底マーク。2回戦で本塁打を放っている4番内田湘大内野手(3年)を4打数1安打、2三振に抑えた。

これで、3季連続の県大会決勝進出。15年以来7年ぶり夏制覇へ、27日に樹徳と対戦する。「(試合への)入り方が重要なのはわかっている。状況に応じた1人1人の仕事をすれば絶対勝てる」。悲願の甲子園へ、あと1勝の壁を越える。【星夏穂】