高岡商が、氷見との壮絶な打撃戦を「あと1球」から逆転して、5年連続22度目の夏出場を決めた。

2得点をあげた初回から、この日も自慢の打撃は好調だった。3回表の攻撃を終え6-0とリード。だが、ここから試練が待っていた。

3回裏に3点返され、6-3。5回表に1点加えたが、その裏4点を奪われ、7-7と振り出しに戻された。その後は氷見を追いかける展開に。裏で1点失えば、次の攻撃で1点、2点失えば2点返す、シーソーゲームとなった。

8回裏、スクイズで氷見に1点奪われ、10-11で9回表の攻撃を迎え、2死まで追い詰められる。打者は2ストライクと追い込まれていたが、連打で同点、勝ち越し。この回2点を奪い、ついに12-11と勝ち越した。

9回裏の守備は、先頭打者に三塁打を許し、いきなりの窮地。だが、この日先発ながら途中守備につき、再びマウンドに戻っていた背番号「3」の右腕、川尻啓人(3年)がしのぎ、57年ぶりの夏出場を目指した氷見を振り切った。

激闘を振り返って、吉田真監督(39)は「いやー、もう、ちょっと…」と感極まって言葉にならない様子。「最後、ひっくり返してくれて、すごい選手です」とたたえた。

◆高岡商 1897年(明30)、高岡市立高岡簡易商業学校として創立された県立校。1922年(大11)現校名に。流通ビジネス科、国際ビジネス科、会計ビジネス科、情報ビジネス科をもつ。生徒数は586人(女子357人)。野球部は1923年創部で部員68人。夏は今回が22度目の甲子園で、県内最多。春は5度出場。OBは元横浜進藤達哉、元日本ハム紺田敏正、映画監督の滝田洋二郎ら。高岡市横田286番地。高橋宏幸校長。

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