好投手を打ち崩し、20年ぶりの「聖地1勝」だ。一関学院(岩手)が昨夏4強の京都国際にサヨナラ勝ちし、初戦突破を決めた。好投手・森下から3回までに4得点を奪って攻略。終盤に同点とされたが、11回に寺尾皇汰投手(2年)が中前適時打で劇的勝利を収めた。「全力を出して勝てたので、うれしい気持ちでいっぱいです」と喜んだ。

岩手大会では、今大会出場校最多の10本塁打をマーク。決勝では最速152キロ右腕の盛岡中央・斎藤に勝った打線が、全国の舞台でも躍動した。1点を追う1回1死一、二塁で、後藤叶翔捕手(3年)が中前適時打。2点リードとなった3回にも後藤の左前適時打で突き放した。攻略のカギは積極的なスイング。3安打2打点の後藤は「初球から打ちにいこうとチームで決めていた。1勝できてうれしい」としてやったりだ。

20年に独自大会で優勝したが、甲子園出場はかなわなかった。当時1年生で先輩の無念を見てきた後藤は「先輩が甲子園に行けなかった分、頑張ろうと思った」。思いを背負って乗り込んだ聖地。好投手が相手でもひるむことなく2勝目もつかみにいく。【相沢孔志】

◆岩手県勢サヨナラ勝ち 夏は73年1回戦で盛岡三が延長11回、八代東にスクイズ(記録は内野安打)1-0で勝って以来。

◆岩手県勢の対京都 夏は8度目の対戦。岩手が勝ったのは1919年の盛岡中以来103年ぶり3度目。3勝ともサヨナラ勝ち。