初陣1勝ならず。第104回全校高校野球選手権(甲子園)で、初出場の南北海道代表・札幌大谷は二松学舎大付(東東京)に2-3で惜敗した。9回に追いつく粘りを見せたが、サヨナラ負け。南北海道大会ではチーム打率4割2分5厘と好調だった強力打線が、10安打を放つもチャンスを生かしきれず、競り負けた。

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エース左腕森谷大誠投手(3年)の熱投も、勝利にはつながらなかった。3回までに2点を奪われるも4回から8回まで無失点。狙われた直球から変化球主体に切り替えリズムをつかんだが、最後は思わぬ形で白星が逃げていった。「勝たせることができなくて申し訳ない」。9回138球9安打3失点。19年センバツに続く初陣1勝はつかめなかったが、船尾隆広監督(51)は「終盤は我慢、我慢と声を掛けた。負けてしまったが胸を張って帰れる試合。ありがとうと声をかけたい」とねぎらった。

左投げ右打ちの異色の左腕が真夏の聖地で、力強く投げ抜いた。幼少期に、父から左投げを教えられて自然とサウスポーになった。食事や文字を書くなど、投球以外はすべて右利き。「右でもボールを投げられます」。一時、左打ちも試したが「しっくりこなくて右打ちに戻した」。小学生時代は左利きのキャッチャーで「打者の反応を見たり、そういうことが好きで、投手になっても生きた」。さまざまな経験を生かし、夢のマウンドに立った。

プロ志望届提出については「まだ考えていない」。自分の成長に最も適した進路を監督や両親と話し合い、新たな道を選択する。【永野高輔】

▽森谷をリードした2年生捕手の佐々木 森谷さんには「来年もう1回、ここに来て勝ってくれ」と言われ「戻ってきます」と返しました。悔しいけど大好きな先輩たちと最高の舞台で野球ができて良かった。

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