新型コロナウイルスの集団感染と判断されていた浜田(島根)が前回出場した04年以来、18年ぶりの甲子園勝利を挙げた。

1回に先制されたが、落ち着いていた。3回に敵失で追いつき、先発の波田瑛介投手(2年)が中前タイムリーを放ち、勝ち越した。5回に追いつかれたが、6回に高木和輝内野手(3年)の右前への2点タイムリーなど、4安打で3点を奪い、勝負の流れを引き寄せた。

家田康大監督(36)は「まず試合ができたことが何よりもうれしくて。寛大な措置をとっていただいて、生徒がうれしそうな顔をしていてそれを見られただけで幸せでした。生徒たちは頼もしく見えましたし、いきいきとプレーできていた」と振り返った。波田から森井空翔投手(3年)への継投も効果的だった。

同校は島根大会後、新型コロナウイルスの集団感染と判断され、3日の抽選会を欠席。回復期間を設けるため、大会第8日の2回戦から出場する異例の措置が施されていた。主力の大半が陽性反応者で在宅でのトレーニングを強いられ、全体練習ができたのは2日ほどだった。波田も発熱はなかったが、せきなどの症状があったという。「自分の思うような球がなかなかいかなかった」と話した。試合後の整列では、審判団から「奇跡の試合だ」と声を掛けられたという。

有田工(佐賀)も新型コロナウイルスの集団感染と判断されていた。厳しい立場に立たされた2校の対決は引き締まった熱戦の末、浜田に軍配が上がった。