出場49校が13日までに初戦を終えた。ベースボールライターの小関順二氏が、今大会注目選手を挙げながら、ここまでの戦いを振り返った。

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今大会、最も注目したのは仙台育英と大阪桐蔭の選手層の厚さだ。大阪桐蔭が主戦投手の左腕・前田悠伍(2年)を温存しても川原嗣貴、別所孝亮(ともに3年)を押し立て初戦を突破すれば、仙台育英は高橋煌稀(2年)古川翼(3年)仁田陽翔(2年)斎藤蓉(3年)湯田統真(2年)による継投で完封し、この5人のストレートがいずれも142キロ以上を計測した。かたや1人の投手が130球以上投げる従来型のチームもあり、高校生投手の球数問題は依然として手探り状態だが、解決のヒントは見いだせたと思う。2校以外では近江の山田陽翔(3年)の高角度から繰り出す真っすぐと縦変化のスライダーのキレが抜群だった。

野手では好捕手が目立った。いずれも3年の松尾汐恩(大阪桐蔭)片野優羽(市船橋)山浅龍之介(聖光学院)のビッグ3に、近江・山田からの1本を含め2試合で3本塁打を記録した土屋奏人(鶴岡東)ら、多彩な顔がそろった。外野手で圧巻だったのが浅野翔吾(高松商)だ。佐久長聖戦では逆風を突く右中間スタンドへの1発に続いてレフトスタンドにライナーのホームランをたたき込み、ドラフト1位候補に名乗りを上げた。(ベースボールライター)