<高校野球秋季神奈川大会:慶応14-1上矢部>◇10日◇3回戦◇保土ケ谷

今夏8強で、10度目のセンバツ出場に挑む慶応が上矢部と対戦。西武、巨人などで通算525本塁打と活躍した清原和博氏(55)の次男・勝児(かつじ)内野手(1年)が「8番・三塁」で先発出場。2打数無安打1四球で迎えた6回2死満塁の第4打席、左翼ポール付近へ高校通算7本目で公式戦初本塁打となるグランドスラムを放った。

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10年前の8月23日、清原家の野球練習で球拾いをした。当時、神宮室内や神宮外苑に場所を借りて、清原和博氏が打撃投手を務め、2人の子供に緩い球をとことん打たせる、というのを何度かやっていた。

見るからに体の大きな長男正吾くんと、俊敏性のありそうな次男勝児くん。清原氏は「上の子は俺タイプ。下の子は立浪みたいなタイプや」と評した。PL学園の後輩、立浪和義氏(現中日監督)の野球センスをリスペクトしているのは知っていた。どちらの子に対しても、最高の褒め言葉だと思った。

2人の母亜希さんも熱心だった。少年野球チームの付き添いで、氷の入った重いクーラーボックスを足の指の上に落とし、骨を折ってしまったと言いながら、球拾いを手伝っていた。

父の期待と母の献身があっての今。兄弟がもっと大きな実を結ぶのを見てみたい。【09年~12年評論家担当=竹内智信】