和歌山県初の継続試合となった決勝で智弁和歌山が快勝し、3年ぶり17回目の優勝を飾った。

9日にプレーボールがかかった試合が両チーム無得点の4回終了時に雨で中断し、30分後に継続試合採用が決まった。この日の試合前は午前10時半から、両チームがアップを開始。その後はともにシートノックを行い、近大新宮の5回表の攻撃からスタートした。

智弁和歌山の先発・吉川泰地投手(2年)が3人で近大新宮の攻撃を抑え、その裏に智弁和歌山は先頭の吉川に代えて多田羅浩大外野手(2年)を打席に送った。この代打策が奏功。多田羅が死球で出塁した後、2死三塁の好機をつくり、杉本颯太内野手(2年)の適時打で先制した。

近大新宮は流れを取り戻そうと、9日の試合に先発し4回から右翼の守備位置に就いていたエース大槻虎生(こお=2年)を6回から再登板させた。だが智弁和歌山の打線につかまり、6、7回で計5点を失った。智弁和歌山は6回から登板の最速145キロ右腕、清水風太投手(2年)が4イニングを1点に抑え、快勝した。

智弁和歌山の中谷仁監督は「序盤の失点が結果につながるという流れだったので、とにかく先制点を、というところでうまく点が取れてよかった」と、チーム初の継続試合を振り返った。

初めて経験する継続試合を前に、先制点がカギを握ると判断。試合再開後の自軍の攻撃が「(8番打者の)吉川から始まる形。一晩考えまして、出塁率の高い多田羅がカードとして残っていたので、勝負をかけて」。5回1イニングを吉川に任せ、後半は清水に託した。

ナインには朝から「先頭打者は多田羅で行くぞ」と伝達。先制の1点を何が何でも取るという戦略が、継続試合の勝利につながった。期待に応えた清水は「先発の意識で入りました。4イニングなので、最初から全力でおしていけた」と明かした。

一方、初優勝を逃した近大新宮の産屋敷(うぶやしき)秀信監督は「すごく勉強させてもらいました。今後の練習への取り組みも変わってくると思います」と試合を振り返った。エース大槻が先発して試合をつくり、他の投手陣につなぐ形が勝ちパターンだったが、この日は9日にエースを右翼に回していたこともあり、他の投手が“先発する”入り方になった。「近畿につながるいい経験をさせてもらったなという試合でした。課題がたくさん見えました」と、22日開幕の近畿大会を見据えた。【堀まどか】