昨秋関東大会8強の横浜(神奈川)は、センバツ出場を逃した。センバツ出場を信じて同校長浜グラウンドで練習中だった選手たちは、午後3時50分過ぎに三塁側ベンチ前に集められた。同3時ごろからポツリポツリと降り出した雨が強くなる中で、選手たちは村田浩明監督(36)から落選の報告を受けた。

村田監督 今、(出場校発表の)中継が終わって…ダメやった。あのー…選ばれなかった。この悔しさを持って、夏に向けてやるしかない。何かが足りないから選ばれないわけで。まあ、現実だからな。この現実、受け止めて、これから夏に向けてどうやってできるか。ものすごいね、あのー複雑な思いもあるけど、(昨秋関東大会準々決勝で)負けた方が弱い。勝たなきゃダメなんだ。この悔しさをもっと、どこよりも持って、やっていこう。とりあえずちょっと1回、室内に戻って心の整理を付けような。忘れんなよ、この悔しさ。やるしかないからな。まだ、夏にもう1回ある。OK?

冷たい雨は激しさを増していた。約1分間の厳しい現実が詰まった監督の言葉に、最後は全員で「ハイ!」と大きな声で返事をしたが、動揺も隠せなかった。最速140キロ左腕のプロ注目エース杉山遥希投手(2年)は「自分は、まだ気持ちの整理は付いていない感じです。この先、どうやっていこうかというのが、あまり見えない状態です」と、率直な心境を明かした。

選考では、関東・東京地区の7校目の枠を二松学舎大付(東京)と争って選ばれなかった。日本高野連・宝馨会長(65)は「横浜と二松学舎大付を検討しました。投手力では経験のあるエース杉山のいる横浜を推す声があった。打力は、1年生の片井(海斗)を中心とした二松学舎大付を高く評価する声があり、総合力で二松学舎大付を選びました」と、説明した。

この選考理由を聞いた緒方漣主将(2年)は「打撃が課題で、杉山頼りのチームになっていたというのが一番の反省というか課題」と、受け止めた。昨秋関東大会準々決勝の高崎健康福祉大高崎(群馬)戦では、2-2の8回に決勝点を奪われて敗退。勝てば、センバツ出場が濃厚となるヤマ場で力を発揮できなかった。

勝負強くヤマを乗り越えられるチームとなるために、緒方主将は「小さなところから1つ1つ変えていく。ゴミ1つ拾うのもそうですし、あいさつも…やっぱ、やりきれてないというか。完璧にそこをできる人間が、技術の向上だったり、野球の頭というのが付いてくるなとすごく学んだ。主将として、そこを大事にチームとしてやっていきたい」と、前を向いた。

エース杉山も「絶対的なエースにならないといけないと思っている。野手にも頑張ってもらって、自分もさらにもっと頑張らないといけないなと思っています」と、言葉に力を込めた。

横浜は夏の神奈川大会3連覇と全国制覇を目標に掲げている。涙雨に打たれた1月27日に味わった悔しさを忘れずに、勝負どころで勝てるタフさと技術を磨いて、春から夏へ向かっていく。

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