初の甲子園を目前に、清原が絶好調だ。第95回選抜高校野球(18日開幕)に出場する慶応が11日、東海大相模(ともに神奈川)と練習試合を行い、西武、巨人などで通算525本塁打の清原和博氏(55)の次男、勝児(かつじ)内野手(2年)が、高校通算9号となる今季1号本塁打を放った。

高い修正力を見せた。相手エースの子安秀弥投手(3年)に第1打席は二飛、第2打席は四球だった。迎えた6回の第3打席。2球で簡単に追い込まれたものの、ボール球を2球見極め、さらにファウル、ボールでフルカウント。「前の打席の反省で、まずはストレートを打ち返す意識でポイントを前にした」と、直球を捉えて左越えソロ。笑顔でダイヤモンドを一周した。「(今年の実戦は)長打はあったけどホームランは打てていなかったので一本出てうれしい。自信になった」と振り返った。

強豪校同士の練習試合とあって、観客や報道陣も多く詰めかけた。森林貴彦監督(49)、東海大相模・原俊介監督(45)の両指揮官は「みんなが見に来ているときに打てるのは持ってる」と口をそろえたが、本人は「たまたまです」と苦笑い。試合は5-5で引き分けだった。

前日10日には組み合わせ抽選が行われ、初戦は第4日第3試合で昨夏王者の仙台育英(宮城)と対戦することが決まった。清原は「森林さんを喜ばせられるように頑張ります」。恩師のために、さらに実力を磨いて聖地へ向かう。【星夏穂】

○…東海大相模は、昨秋の県大会準々決勝で敗れた慶応に対し、8回に3点差を追いつき意地を見せた。エースの子安は完投し5安打5失点。原監督は「秋は慶応さんに負けているので、なんとか形にしないと夏もつながらない。神奈川の代表として慶応さんには頑張ってほしい」と、強豪ひしめく神奈川をけん引するライバル校にエールを送った。