山梨学院が報徳学園(兵庫)を逆転で破り、山梨県勢として悲願の甲子園初優勝を果たした。
2点を追う5回裏、打者10人、本塁打を含む6安打を集中。7点を奪うビッグイニングで一気に逆転した。
守っては6試合連続先発のエース林謙吾(3年)が好投。4回に自らのボークなどで2点を先制されたが丁寧に打たせて取る
投球でアウトを積み上げ3失点で完投した。
今大会は6試合のうち4試合に完投。6勝はセンバツ史上最多。6試合の投球数は696。
吉田洸二監督(53)は清峰(長崎)時代の09年春に続く2度目の優勝。異なる2校での優勝は原貢(三池工、東海大相模)、木内幸男(取手二、常総学院)、上甲正典(宇和島東、済美)が達成している。
報徳学園は21年ぶりの優勝を逃した。4回に2点を先制も、5回以降打線が林を捉えきれず「逆転の報徳」の再現はならなかった。
◆林謙吾(はやし・けんご)2005年(平17)7月30日、東京都足立区生まれ。舎人スポーツ少年団では投手と内野手を兼ね、12球団ジュニアトーナメントのジャイアンツジュニアに選出。駿台学園中では軟式の全国大会でベスト4。好きな選手はデグロム投手(レンジャーズ)。将来の夢はプロ野球選手。好きな食べ物はハンバーグ。178センチ、81キロ。右投げ右打ち。
<得点経過>
▽4回表 報徳学園は3番堀が三塁強襲の内野安打。4番石野が左前安打で無死一、二塁。5番辻田が送りバントを決め1死二、三塁。6番西村へ林が初球を投げようとしたが何か引っかかったのかボールをリリースすることができずボーク。三塁走者生還し1点先制。西村は中前適時打を放ち2点目を挙げた
▽5回裏、山梨学院1死から7番大森が四球。8番林が左翼フェンス直撃の二塁打を放ち二、三塁。9番伊藤の左前適時打で2者生還し2-2同点。1番徳弘が安打でつなぐと2番星野の左前適時打で3-2と勝ち越し。3番岳原の右中間への適時二塁打に失策も絡み2者生還し5-2。2死後、5番佐仲の左越え2ランで7-2とした
▽8回表 報徳学園は1、2番の連打と内野ゴロで1死一、三塁。4番石野の一ゴロで1点返し3-7
<センバツ投球数>
772 安楽智大(済美=13年)
765 丸山貴史(愛工大名電=04年)
728 筑川利希也(東海大相模=00年)※
719 牛島和彦(浪商=79年)
712 高塚信幸(智弁和歌山=96年)
705 福井優也(済美=04年)※
696 林 謙吾(山梨学院=23年)※
692 小川 洋(宇和島東=88年)※
689 島袋洋奨(興南=10年)※
686 小林昭則(帝京=85年)
681 渡部良克(日大三=71年)※
678 西村健太朗(広陵=03年)※
676 平子浩之(関東第一=87年)
675 芳賀 崇(仙台育英=01年)
670 後藤章浩(近大付=90年)※
669 村上頌樹(智弁学園=16年)※
665 有迫 亮(清峰=06年)
661 高村 祐(宇都宮南=86年)
660 佐藤文男(印旛=81年)
659 藤浪晋太郎(大阪桐蔭=12年)※
654 東 裕司(箕島=77年)※
653 山田喜久夫(東邦=89年)※
652 市原勝人(二松学舎大付=82年)
648 渡辺智男(伊野商=85年)※
648 グエン・トラン・フォク・アン(東洋大姫路=03年)
648 野上亮磨(神村学園=05年)
643 森田貴之(大垣日大=07年)
641 大杉樹一郎(中京大中京=97年)
639 山本雅章(新田=90年)
636 里田太一(近大付=89年)
636 寺前正雄(北陽=90年)
627 今村 猛(清峰=09年)※
625 上田佳範(松商学園=91年)
623 渡辺功児(桐蔭学園=88年)
619 三沢興一(帝京=92年)※
619 大谷智久(報徳学園=02年)※
618 松坂大輔(横浜=98年)※
618 三好 匠(九州国際大付=11年)
614 竹田 祐(履正社=17年)
613 伊東昭光(帝京=80年)
606 佃 正樹(広島商=73年)
606 山沖之彦(中村=77年)
606 三浦将明(横浜商=83年)
605 山本信幸(東海大甲府=87年)
604 石井 毅(箕島=79年)※
604 染谷慶太(浦和学院=92年)
603 平沼翔太(敦賀気比=15年)※
602 島本講平(箕島=70年)※
600 山崎福也(日大三=10年)
▼1970年以降、夏最多は斎藤佑樹(早実)の948球
※は優勝
◆山梨学院 1956年(昭31)創立の私立校。普通科に特進コース、進学コースがあり、生徒数は1049人(女子445人)。野球部は57年に創部。部員数50人。甲子園出場は春が6度目、夏は10度。主なOBは巨人松本哲也コーチ、ソフトバンク明石健志コーチ、中日垣越建伸ら。甲府市酒折3の3の1。
◆1イニング7点 センバツ決勝で7点以上のビッグイニングは、06年横浜が清峰戦の6回に9点、13年浦和学院が済美戦の5回に7点、8回に8点を記録して以来4度目。