加藤学園(静岡1位)が、春秋を通じて初の東海大会優勝を飾った。

春夏通算60度の甲子園出場を誇る名門・県岐阜商(岐阜1位)を8-6。3回に松本太一外野手(3年)が走者一掃打を放つなど常に先手を取り、振りきった。2021年の掛川西、22年の浜松開誠館に続いて県勢3連覇となる快挙で、夏に向けて弾みをつけた。

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加藤学園が新たな歴史を刻んだ。8-4で迎えた9回。2点を失ったが、最後は県岐阜商の反撃に耐えて栄冠をつかんだ。1996年の創部から27年。初の県制覇に続き、東海大会でも初めて頂点に立った。「勝ち切れたことはうれしい」と話した太田侑希主将(3年)を中心に、ナインは笑顔で記念撮影に納まった。

隙を逃さなかった。2-0の3回。2死走者なしから相手の失策を機に満塁と好機を広げ、7番松本が快音を響かせた。米山学監督(45)の指示通り、初球の変化球を強振。右越えに走者一掃の三塁打を放った。敵失直後に二塁打で流れをつくった5番北條創太外野手(2年)は「ミスを無駄にせず、攻めきれたことが良かった」とうなずいた。

序盤で奪った5点で試合の主導権を握ると、投手陣もエース吉川慧(3年)-鈴木日陽(2年)の継投でリードを死守。指揮官は「守備のミスもあったけど、声をかけ合って崩れていかなかった。少し、このチームの成果かなと思う」と一定の手応えを口にした。

同校は、コロナ禍で中止された20年センバツの代替案として招待された甲子園交流試合で鹿児島城西に3-1。“聖地初勝利”を挙げた。現チームの目標は「甲子園2勝」。指揮官が「(この春に)足りなかったことは何なのか。もう1度詰めていきたい」と言えば、太田主将も「まだ、目標は達成していない。まだまだミスもあるし、力のなさも感じた。夏に向けて、もう1度頑張っていきたい」と口元を引き締めた。東海大会優勝がゴールではない。先輩超えを目指し、さらなる進化を目指す。【前田和哉】