最速151キロ右腕・平野大地投手(3年)が1球に泣いた。

4-4で迎えた8回裏、今大会初のマウンドへ上がった。「久しぶりに投げられる。マウンドを楽しもうと思っていました」。この日の最速149キロの真っすぐに、フォークや100キロに満たないカーブなど、緩急をつけた投球も制球が定まらなかった。2死一、二塁から甘く入った真っすぐを捉えられ、右越え三塁打。2点勝ち越しを許した。1回を投げ2安打2失点に「カウントを悪くして甘く入ってしまった。自分の弱さが出てしまいました」と話し、うつむいた。

9回表には、2死一、二塁のチャンスで打席に立ったが、空振り三振でゲームセット。ベース上にひざまずき、悔しさをあらわにした。「自分が打ってかえせば、もう1度投げるチャンスがある。どうしてもかえしたい気持ちがありました。チームのみんなに申し訳ない…」。勝ち越し打を浴び、最後の打者に。敗戦の責任を1人で背負い込んだ。

それでも、チームにとっては収穫の多い春となった。渡辺翼投手(3年)、青野流果投手(3年)ら2番手投手が活躍し、関東大会準決勝まで上り詰めた。持丸修一監督(75)は「打線の構想と、2番手、3番手の投手が出てきてくれた。課題も見えた。夏に向けては、いい負けだったんじゃないかな」と、夏を見据えた。

平野は今春、県大会決勝の2/3回と関東大会はこの日の1回を投げたのみ。「もう1度、打者の打ち気をそらして真っすぐで勝負する自分の投球を磨いて、チームを勝たせられる投球をしたい」と力を込めた。目指すは、千葉県制覇と全国制覇だ。