1回戦で今春センバツ準優勝の報徳学園(兵庫)を破った市和歌山は、智弁学園(奈良)に7回コールド負けとなった。

先発の栗谷星翔(せいが)投手(3年)が7回途中13安打9失点(自責8)と安定感を欠いた。

初回に先制を許すと、5回には四死球が絡んで4失点。7回にも連打を浴びるなど、追加点を許してイニング途中でノックアウト。持ち味のコントロールも乱れて、智弁学園打線のフルスイングにも圧倒された。右腕は「苦しい展開で粘りの投球ができなかった。無駄な失点が目立った。(相手打線は)1番から9番まで全員フルスイングで振ってくるので、逃げてしまった。そこがダメなポイントだった」と視線を落とした。

前日2日は大雨の影響で学校は午前中で休校となり途中下校。自宅での練習を強いられた。初めての状況に栗谷も困惑。「外に出られなかったので、家でストレッチしかできなかった。家でもっとできたことがあったのが反省。初めての経験だったので、何をやっていいか分からなかった。こういう経験を夏につなげたい」と前を向いた。

打線は反撃を見せた。0-1の5回には5番大江陸斗内野手(3年)が左翼へ同点のソロ本塁打。公式戦初本塁打に「入ったと思わなかった。先頭で出塁しようと打席に入った。1点を取ることができて良かった」と声を弾ませた。

さらに、4点ビハインドとなった6回には栗谷の2点適時三塁打で2点を返した。しかし、7回に5点を奪われてコールド負けとなった。

半田真一監督(43)は「打つ方は悪くはなかったが、ビックイニングを作られた。ミスはあるけど、ミスにミスを重ねることはなくしていかないといけない」と反省。夏へ向けて、「ここ一番の場面で強豪相手に引き離された感じがある。そうじゃなくて、粘って粘って食らいつく野球を作っていきたい」と思い描いた。【林亮佑】