日刊スポーツ高校野球特集「ピカイチ選手」を紹介する3回目は、「プロ&元プロのファミリー選手編」。

◆川口市立(埼玉)宇田川健(2年)185センチ、78キロ、右右

オリックス宇田川優希投手(24)を兄に持つ川口市立(埼玉)の宇田川健投手は、甲子園初出場に向けて気合十分だ。

昨夏の5回戦花咲徳栄戦では、7点ビハインドで火消しの3者凡退を披露し、能力を示した。今年2月に右肘の靱帯(じんたい)の炎症で離脱。復帰へはやる思いもあったが、兄から「あまり焦らないように」と言われ、自分のペースで痛みと向き合ってきた。

最速135キロ右腕は6月に実戦復帰し、調整を重ねている。先月下旬の練習試合では花咲徳栄と“再戦”し、同点の8回から登板。上位打線を3者凡退とし、9回も無失点に抑えた。春夏12度の甲子園出場を誇る強豪校に5-4で競り勝ち、マウンド上で大きくほえた。

しびれる場面の登板も「びびらずに先輩たちと少しでも長くプレーしたい」と兄をほうふつとさせる勝利を呼び込む投球が持ち味。侍ジャパンで「宇田川会長」として愛された兄同様にチームを勢いづける存在だ。「甲子園に行きたいです」。初の甲子園出場へ、右腕でシンデレラストーリーを描く。【佐瀬百合子】