花巻東がヒヤヒヤの8強入りを決めた。2-2の延長11回1死二、三塁。1番久慈颯大外野手(3年)がカウント1-1から真ん中寄りスライダーを右中間にはじき返し、2点適時三塁打で勝ち越しに成功した。「ベンチやスタンドからも自分の名前を呼んでもらって、すごく圧もかかったんですけど、気合で何とか打てた」。公式戦では初の決勝打となった。

0-2の7回無死一塁、5番北條慎治外野手(3年)が初球の内角高めスライダーを捉え、左中間へ起死回生の同点2ランを運んだ。「(4番の千葉)柚樹が打てていない中、自分が何としても打たないといけないという気持ちで本塁打が出て良かった」と高校通算3号。背番号1を背負う最速145キロ右腕ながら、得意の打撃を生かすために左翼で出場することも多い。貴重な一撃に「完璧だった」と笑みを浮かべた。

この一戦は高校通算140本塁打の佐々木麟太郎内野手(3年)が、背中に張りがある影響でベンチスタート。10回に代打出場も空振り三振に倒れた。「麟太郎はチームの中で大きな存在ですが、麟太郎だけのチームではないというのを見せたいと周りで話していた」と久慈。投げては先発・熊谷陸投手(3年)が2回1/3を6安打3四死球2失点で1度降板も、遊撃守備を経て10、11回に再登板。延長はゼロを刻んでみせた。

22日の準々決勝は盛岡誠桜と対戦する。「何年も夏は(甲子園に)行けてないですし、2年間先輩の悔しい姿を見ているので、何とか食らいついて甲子園に行きたい」と久慈。次戦も全員野球を貫き、頂点にまた1歩近づく。【山田愛斗】

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