秋田商が能代松陽との延長10回タイブレークを5-2で制し、4強入り。延長10回、寺門史優(ふみや)外野手(3年)が決勝の適時三塁打を放ち、熱戦に決着をつけた。
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「よっしゃー!」。こまちスタジアムに歓声が響き渡った。9回、能代松陽に2-2の同点に追いつかれ、試合はタイブレークに突入。迎えた延長10回2死二、三塁のチャンス。寺門は「どんな場面でも自分のスイングをする」と言い聞かせ、右翼線ギリギリに落ちる三塁打。勝ち越しの2点適時打となり「自分に回してくれた感謝で『よっしゃー!』と叫んだ」と塁上で喜びを爆発させた。
ようやく自分らしさを取り戻した。寺門はこの日の朝まで打撃不調に悩んでいた。試合前、コーチから「体重が後ろにかかりすぎていて、自分のスイングができていない」とアドバイスを受け、迎えた初回の第1打席。スライダーを完璧に捉え、左越えに自身公式戦初となる本塁打。この本塁打をきっかけに決勝打を含む3安打の活躍。「ようやく自分らしさを取り戻した」と会心の笑みを見せた。
二人三脚で迎える最後の夏だ。エース松橋星羅投手(3年)とは小学校から同じチームでプレー。寺門は「(中学まで自分が)捕手としてバッテリーを組んでいた。松橋の心境がわかるので声をかけている」。松橋は「打席に行く前に必ず声をかけてくれて、本当に助かっている」と、絆の深さに感謝した。一番長い夏を過ごすため、二人三脚で快進撃を続ける。
○…「悔いは全くない。野球は続けません」。ドラフト候補にも名前が挙がっていた能代松陽のエース森岡大智投手(3年)の夏が終わった。この日は4回途中から登板。5回1/3を投げ4安打、10回タイブレークで痛恨の3失点を喫した。森岡は入学前から「高校野球で区切りをつける」と決めていたが、今春のセンバツでレベルの違いをあらためて実感。その思いにさらに拍車がかかった。「このメンバーで野球をするのが一番の楽しみだった」。今後は地元での就職を目指す。
▽能代松陽・工藤明監督 延長10回の寺門くんを迎える場面で申告敬遠を促したが(森岡は)勝負を選択した。私の勇気をはるかに超えていて素晴らしかった。残念な結果にはなったが、本当に良い投球をしてくれた。
○…明桜が大館桂桜に14ー3の5回コールド勝ち。20年県独自大会を含め、7年連続4強入り。先発・難波佑聖投手(3年)は2回、「甘く入ったインコースを打たれた」と3安打2四球で3失点。だが、3回以降は修正し無失点に抑えた。難波の粘投に打線も応え、松橋日々生外野手(3年)の3安打4打点をはじめ、10安打14得点の猛攻で相手を圧倒した。
▽大館桂桜・高谷勉監督 監督の力不足。5~6点に抑えて後半を迎えるプランだったが、やはり思い通りにいかなかった。優勝するのに足りない点を考え直さなくては…。1、2年生は、3年生が残したものをつないでいってほしい。

