高校通算140本塁打を誇る花巻東(岩手)佐々木麟太郎内野手(3年)が、3安打で夏の甲子園デビューを果たした。1回戦の宇部鴻城戦に「3番一塁」で出場。先制打を含む3打数3安打1打点1四球と全打席で出塁した。「とにかく目いっぱい振ることだけを考えていた。ベストスイングだったか、いいバッティングだったかは分からないですけど、しっかり振り切ることはできたと思う」。チームに8年ぶりの夏1勝をもたらすとともに、父の佐々木洋監督(48)の夏通算10勝にも花を添えた。

佐々木麟が甲子園初安打&初打点を決めた。初回2死走者なし、132キロ直球を左前に運び、春夏通じて聖地初安打。4回無死二塁では「しっかり振って得点をかえすことが自分の役目」と116キロスライダーを左前にはじき返し、初打点をマークした。5回2死二塁では申告故意四球で勝負を避けられ、7回2死一塁では三塁強襲の内野安打を放った。

相手バッテリーからは徹底的な内角攻めを受けたが、動じなかった。「自分としては甘いボールに対して、どんどん振っていくスタイルなので、基本的に来たコースには意識がなかった」。中堅方向へ運ぶ打撃を心がけ、結果的に3本すべてが逆方向への安打となった。

13日の2回戦ではクラーク(北北海道)と対戦する。佐々木麟は「一戦必勝で戦うだけ。とにかく自分たちとしても確実な準備をして臨みたいし、いろんな方の思いを背負っている。とにかく全力で戦い抜くことを貫いて、勝つことだけを考えてやっていきたい」と意気込んだ。

 

広島白武スカウト部長「ホームランは出なかったけど、広角に打てるし、パンチ力もある。打撃に関してはいいものを持っている。打撃は特Aだと思う」

ヤクルト橿渕スカウトグループデスク「3本ヒットを打って自分のチームに貢献できていた。コンパクトに打っていた。力まずに大振りにならないし精神的なコントロールもできている」

DeNA河野スカウト「技術があって選球眼があって頭もいい。夏の予選でも頼もしかった。軽打で強振しないと再確認できた」