高校通算39本塁打の右のスラッガー、東海大熊本星翔の1番百崎蒼生(ももざき・あおい)内野手(3年)は初戦で散った。

3点を追う9回先頭で二ゴロ。負傷している左足首の痛みをこらえてのヘッドスライディングも及ばなかった。敗戦が決まると泥だらけの顔で泣きじゃくった。それでも春夏通じ5度全国を誇る東海大相模(神奈川)から転入してまで過ごした日々は宝。「最高のチームメートに恵まれ、感謝しかありません」と気丈に話した。

意地は見せた。「勝負を決めるぐらいの気持ちだった」。1回先頭で右中間二塁打。3番の遊ゴロで先制ホームを踏むなど2安打1得点と気を吐いた。

東海大相模では、1年秋から3番遊撃を任されるスーパールーキーだった。だが、方向性の違いから地元熊本での再出発を決意して、2年春に編入。日本高野連の規定で、1年間は公式戦に出場できなかったが、最後の夏に念願の甲子園の土を踏むことができた。「小さいころからプロ野球選手になりたかった。高いレベルを目指しています」。悔し涙を糧にさらなる高みを目指す。【菊川光一】

▽東海大熊本星翔・百崎の母由美さん(47)一度、相模に出したわけだから、そこで頑張ることを願っていました。でも本人がどうしても無理と、意思が固かったので…。こっちでも野球を続けられて、最後にここまで連れてきてもらって感謝しかありません。

【一覧】甲子園組み合わせ トーナメント表