一関学院が09年以来14年ぶりに秋の岩手王者に輝いた。

これまで花巻東と盛岡大付が12年連続で優勝を分け合ってきたが、地元開催の今大会で意地を見せた。身長189センチの大型左腕、高沢奏大投手(2年)が9回139球を投げ1失点完投。打っては山内蓮外野手(2年)が決勝打含む2安打2打点と結果を残した。来春のセンバツ出場を確実にするべく、チーム目標は「秋の東北王者」。高沢は「通過点と言ったらあれですけど、まず県大会で優勝できたことがうれしい」と力を込めた。

テンポのいい投球で久慈打線を封じた。高沢は3回2死から3連打で先制点を許したが、「今日は走っていた」という伸びのある直球を軸に4回以降は無失点。チェンジアップも有効活用しながら相手を翻弄(ほんろう)した。2点リードの9回2死走者なしでは、外角寄りの直球で空振り三振に仕留めて試合を締めた。

岩手第1代表として臨む東北大会は16日に秋田で開幕する。「自分の持ち味であるコントロールを意識して、守備からリズムをつくって攻撃につなげたい」とエースの仕事を果たすつもりだ。「東北大会優勝が第一目標。優勝を頭に入れつつも、1個1個勝たなければ意味がないので、1個1個全力で戦いたい」。08年を最後に遠ざかるセンバツ出場に向けて高沢が左腕を振る。