仙台育英(宮城)が北海(北海道)を下した。雨で日程が変更となり決勝戦が行われなくなったため、決勝進出で優勝が決まり、11年ぶりに国体を制した。

2年連続で甲子園決勝の舞台に立った勝負強さを発揮した。先発の高橋煌稀投手(3年)は、2回から打ち込まれ3イニング連続で得点を許し4点のビハインドで苦しい展開となった。

だが、4回にビッグイニングを作った。先頭打者の橋本航河外野手(3年)が中前安打で出塁すると5連打で同点に追いつく。1死満塁のチャンスで、直前の4回途中からマウンドに上がり流れを食い止めた仁田陽翔投手(3年)が中前適時打を放ち逆転に成功した。

6回に再びリードを許し、1点ビハインドで迎えた8回。1死から橋本は、二塁への痛烈な打球を野手がはじいた間にすかさず二塁まで走りチャンスを作り、さらに暴投で1死三塁。続く山田脩也内野手(3年)が143キロを捉え中越え三塁打で同点。湯浅桜翼内野手(2年)が右前適時打を放ち逆転に成功した。攻撃の手を止めることなくこの回3点を奪い、意地を見せた。

ベンチ入りメンバー18人全員が出場し、優勝をつかみ取った。

須江航監督(40)は「こんなに美しい野球とか勝利はない。尊い、それ以上の感情表現が僕の言葉では出てこない」と語った。3年生最後の公式戦で粘り強い野球を見せた。「すいも甘いも悔しいも喜びも成功体験も失敗体験もたくさんしてきたので、それが全部詰まっていた。人生の中で忘れない試合。甲子園の優勝も感動しましたけどそれにも勝るぐらいの勝利」と話した。