大阪桐蔭(大阪1位)が近畿勢一番乗りで来春のセンバツに当確ランプをともした。

準々決勝で報徳学園(兵庫1位)に4-3で競り勝ち4強入り。1点リードの8回から1年生右腕の森陽樹投手を投入。最速151キロの剛球でパーフェクトで締めた。西谷浩一監督(54)も認める強力投手陣で覇権奪回への道を進む。1回戦では須磨翔風(兵庫2位)と耐久(和歌山1位)が勝ち上がり、ともに初の甲子園に前進した。

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「151」「150」。大阪桐蔭の石田コーチが持つスピードガンに、何度も大台が表示された。森は最後、150キロで4番打者を空振り三振に斬った。2回を打者6人を4奪三振。スーパー1年生が、昨春全国準優勝の報徳学園を圧倒。完璧な火消しで、センバツ当確ランプをともした。

「絶対に勝つという強い気持ちでした。持ち味の直球を自信持って投げられました」。まだ16歳。身長189センチの大型右腕が、あどけない顔をほころばせた。

1回戦の高田商(奈良3位)戦で自己最速の151キロをマーク。1週間でさらに進化し、直球の平均球速がついに大台を超えた。1点差の展開で森を送った西谷浩一監督(54)は「(球が見えづらい)ナイターですしね」と意図を語った。快速球が、より生きた。

ロッテ佐々木朗希に憧れ、聖心ウルスラ学園聡明中(宮崎)から鳴り物入りで入学。同学年の最速149キロ右腕、中野大虎(だいと)投手とともに急成長中だ。経験豊富な西谷監督も「私がやってきた中でも、投げられる投手の数は今年が一番かも」と明かすほど投手層は分厚い。6回2失点のエース平嶋桂知(かいち)投手(2年)も「投手陣で引っ張りたい」と気合十分だ。今夏は大阪決勝で履正社に敗れた西の横綱が、強力投手陣を看板に甲子園に帰ってくる。【柏原誠】

◆森陽樹(もり・はるき)2007年(平19)8月1日生生まれ、宮崎県延岡市出身。川島小1年時に東海東(とうみひがし)クラブで野球を始め、聖心ウルスラ学園聡明中では全日本少年夏季軟式野球大会に出場。大阪桐蔭では1年秋から背番号15でベンチ入り。最速151キロ。変化球はカーブ、カットボール、スプリット。189センチ、86キロ。右投げ左打ち。目標とする選手はロッテ佐々木朗希。

大阪桐蔭が4強入りでセンバツ当確 耐久は耐えて8強、須磨翔風は逆転サヨナラで8強/詳細