大阪桐蔭(大阪1位)が京都国際(京都2位)を4-0でくだし、5大会連続の決勝進出を決めた。1年生の最速149キロ右腕、中野大虎(だいと)投手が終盤3回を無失点。名前通りの「大の虎党」が、日本一目前の阪神ばりに勢いのある投球で新星登場をアピールした。京都外大西(京都1位)は、田中遥音投手(2年)の1-0完封で快進撃の耐久(和歌山1位)を退け、37年ぶりの決勝進出。両校は4日、明治神宮大会出場権をかけて戦う。

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中野は躍動感たっぷりに打者をねじ伏せた。7回から2番手で近畿大会デビュー。3安打されたが無失点に抑え、0封リレーを完結させた。「今日は直球を決め球にしましたが、求めているベース上の強さが足りなかったです」と高い意識をかいま見せた。

名前の「大虎」が示すように一家で大の虎党。母方の祖父は阪神の応援団員をしていたという筋金入りだ。中野が生まれる前に亡くなったが、母に「子どもが生まれたら虎の字を入れて」とお願いしたという。好きな投手は藤川球児。帽子には「猛虎魂」と書き込んでいる。「猛虎魂を持って投げようと思っています。日本シリーズも見ています」と笑った。

西谷浩一監督(54)は「気持ちで投げる子。1年生なので荒々しく投げてほしい」と期待する。同じ1年生の森陽樹投手は先に近畿大会で投げ、151キロを計測。大型右腕2人がエース平嶋桂知(かいち)や、この日先発で6回を無失点に抑えた南陽人(ともに2年)ら上級生を刺激している。

史上初の秋の近畿大会3連覇へあと1勝。その先にはV3がかかる明治神宮大会が待つ。西谷監督が言う「最初の山」の頂点へ。戦力を整えながら、にじり寄っている。【柏原誠】

◆中野大虎(なかの・だいと)2007年(平19)6月18日生まれ、大阪府和泉市出身。5歳からソフトボールを始め、幸(さいわい)小6年時から大阪泉州ボーイズで硬式野球へ。富秋中では浜寺ボーイズでプレーし、3年春に全国大会出場。大阪桐蔭では1年秋からベンチ入り。180センチ、81キロ、右投げ右打ち。

大阪桐蔭と京都外大西が決勝進出 センバツ目指し近畿大会準決勝/詳細